界面活性剤って何!?本当に悪い物!?

2024/09/26
💡界面活性剤について

綺麗になる為の正しい美容についての知識を
現役美容師がプロ目線で解説させて頂きます!

⇩この記事で分かること⇩
・界面活性剤について

 
こんにちは!
界面活性剤が無くてはならない物だと
改めて広く知って頂きたい
門前仲町 美容室 アレテー 鵜川です^_^
 
今回は界面活性剤についてです!
正しい界面活性剤に対しての考え方
界面活性剤についての内容を解説していきたいと思います!
 
 
 
 
 

そもそも界面活性剤って何!?

 
界面活性剤は
日用品、化粧品、医薬品、食品など
私達が日常的に使用する様々な物に含まれています。
 
水に馴染みやすい親水基
油に馴染みやすい親油基、疎水基
その両方を持つ特徴がある物質です。
 
簡単にご説明するとしたら
混ざり合わない水と油を混ぜるもの。
例えば、、、
 
・ドレッシング(ノンオイルでないもの)
水と油が混ざり合わず分離しています。
 
・化粧水やシャンプー
水と油が界面活性剤の働きにより混ざり合っています。
 
水と油には混ざり合わないことにより出来る境界線があり
この境界線の事を界面と言います。
また、この界面を活性させる物質のことを
界面活性剤と言います。
 

 
界面活性剤は界面において
機能を発揮して性能を高める化学物質の総称で
化粧品、食品にも欠かせない成分なのですが
残念ながら一部の自然派志向の方々には
悪者扱いされることも…
 
 
 

界面活性剤が悪いって聞いたことあるのはなぜ!?

 
たまにお客様からご質問頂くことがございます。
『 界面活性剤って身体に悪いんですよね? 』と。
 
どうしてそんなご質問を頂くことが多いのか?
SNS、ネットの偏った情報が多く出回っていることや
ネガティブキャンペーンの様なマーケティング手法を用いる
メーカーや団体も少なくないからです。
 
そんなご質問には私はこう答えるようにしています。
『 界面活性剤が全て悪いということではなく、界面活性剤自体が何かを分からず使用することは良くないことかもしれません。 』と。
 
界面活性剤は私達の生活と切っては切り離せない
必要不可欠なものですからね^_^
 
 
 

界面活性剤は食べている!?

 
界面活性剤の種類は多岐に渡り
実は自然界や私達の体内にも存在します。
 
赤ちゃんが飲む母乳にもカゼインという界面活性剤が含まれ
この成分の働きで水分と栄養分が乳化され飲み易くなっています。
因みにこのカゼインという界面活性剤は
母乳だけでなく乳製品に含まれています。
脂肪分が水分に溶け込んでいるのは界面活性剤の働きによるものなのです
 
その他にも
レシチンという界面活性剤は主に大豆製品や卵黄に
ペクチンという界面活性剤は主に果物や野菜に
含まれています。
 
赤ちゃんが飲んで大丈夫で体内にも存在するのですから
界面活性剤は安全なのでは…!?
界面活性剤は本当に悪者なのでしょうか…!?
 
 
 

界面活性剤の7つの作用

 
界面活性剤の種類はとても豊富で
化粧品、医薬品、日用品、食品をはじめとした
様々な物に含まれています。
 
ただ、そのどれもが同じ性質の界面活性剤ではありません。
用途に合わせた界面活性剤を使用する事で
皆様が日頃使用されている製品は出来ています。
 
今回は界面活性剤にはどのような作用(特性)があるのか
少しイメージして頂き易いように
界面活性剤の作用一覧をお伝え致します。
 
・乳化作用
・起泡洗浄作用
・殺菌作用
・帯電防止作用
・柔軟作用
・浸透作用
・溶解作用

 
以上が、界面活性剤の主な作用とされています。
それぞれの作用は読んで字の如く
 
・乳化作用は、水と油を混ぜ合わせ
・起泡洗浄作用は、泡立て洗い
・殺菌作用は、菌を殺し
・帯電防止作用は、静電気が帯びるのを防ぎ
・柔軟作用は、柔らかな質感に
・浸透作用は、しみこみを助け
・溶解作用は、物質を溶かします

 
 
 

界面活性剤は大きく分けると4種類

 
現在、主に使用されている界面活性剤の種類は、
4つのタイプに分類されており、以下の通りになります。
 

1.陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)

 
・配合されている主な製品
石けん
洗濯用洗剤
シャンプー
ボディソープ
etc…
 
・特徴
泡立ちが良い
洗浄力に優れている
浸透力に優れている
乳化力に優れている
 
水に溶けた時に疎水基のついている部分が
マイナスイオンに電離する界面活性剤で
多くの製品に使用されています。
 

2.陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)

 
・配合されている主な製品
トリートメント
柔軟剤
etc…
 
・特徴
帯電防止効果に優れている
繊維などに吸着する
 
水に溶けた時に疎水基のついている部分が
プラスイオンに電離する界面活性剤で
イオン的に逆の構造を持つ為
逆性石けんとも呼ばれます。
繊維や毛髪がマイナスに帯電している際に
強く吸着し、柔軟性、帯電防止性を与えます。
 

3.両性界面活性剤

 
・配合されている主な製品
シャンプー
ボディソープ
etc…
 
・特徴
皮膚に対して優しい
水への溶解性に優れている
 
水に溶けた時に
アルカリ性領域では陰イオン界面活性剤の性質
酸性領域では陽イオン界面活性剤の性質を示す界面活性剤で
皮膚や眼に対する刺激性が優しい。
 

4.非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)

 
・配合されている主な製品
洗濯用洗剤
乳化、可溶化剤
金属加工油
etc…
 
・特徴
親水、疎水性のバランスを調整出来る
泡立ちが少ない
温度の影響を受けやすい
 
水に溶けた時にイオン化しない親水基を持つ界面活性剤で
水の硬度や電解質の影響を受けにくい。
近年、使用量が増えている界面活性剤です。
 

補足

その他、最近では
新しい界面活性剤も開発されているようですが
一般市場に並び、私達の身の回りにある製品の殆どは
上記の4つのタイプの界面活性剤が使用されています。
 
専門用語も多く、小難しく聞こえるかもしれませんが
日々、皆様が使用されているシャンプートリートメント
また、私達美容師が行うサロントリートメント施術も
この界面活性剤の特徴を利用したものなのです。
 
磁石を思い浮かべてみて下さい。
磁石が引力によりプラスとマイナスでくっつくように
シャンプーや洗濯用洗剤の界面活性剤は
陰イオン(アニオン)でマイナスイオンに電離。
トリートメントや柔軟剤の界面活性剤は
陽イオン、カチオン界面活性剤でプラスイオンに電離。
という工程を踏む事により
洗浄(マイナス)⇨帯電防止、柔軟(プラス)
というイオン構造をもたらしているのです。
 
少し難しかったですかね😅
サロンワークではもう少し分かりやすくご説明しております

 
 
 

日用品では分かるのに化粧品だと分からない界面活性剤の不思議

 
化粧品や日用品は製品それぞれの用途に合わせ
界面活性剤が使用されています。
 
例えば、ハンドソープで手を洗う方が多いと思うのですが
それは、ハンドソープに使用される界面活性剤の特徴が
起泡洗浄作用と殺菌作用に優れているから。
 
では、食器用洗剤で手を洗う方が少ないのは何故でしょうか?
それは、皆様が無意識にそれぞれの製品に含まれる
界面活性剤の作用の特徴を理解しているからなのでは?
(食器用洗剤で毎回手を洗っていたら手荒れしやすいですよね🥲)
 
では、シャンプーや洗顔料はいかがでしょうか?
ご自身のお使いの製品に使用されている
界面活性剤がご自身の髪や皮膚に対して
どの様な特徴の作用があるか気になりませんか?
 
はっきりお伝えしたいのは
化粧品なら何でも、どれでもお肌や髪にとって良い物ではない
ということ。
でもそれは決して
全ての界面活性剤が悪いからではない
ということ。
 
如何にも髪やお肌に良さそうな化粧品広告
本当にその化粧品に使用されている界面活性剤の特徴は
広告の指し示す結果をもたらしてくれるのでしょうか…!?
 
もしかしたら
ご希望の用途に合わせて化粧品、及び、界面活性剤を選べていないことが
お悩みの原因になっているかもしれません…
 
 
 

まとめ

 
今でもたまに言われます。

『 界面活性剤って良くないから、クリームシャンプーを使ってる 』
『 界面活性剤って悪いでしょ?だから、湯シャン派です 』

なんて。
実は、クリームシャンプーもめっちゃ界面活性剤使ってますからね
界面活性剤を使用していない化粧品は基本的にありません

 
界面活性剤 = 良くないもの、悪いもの、泡立つ物
そんな間違った情報が早くなくなり
少しでも正しく伝わって頂けたら嬉しく思います。
ようやくこの数年ノンシリコンとか聞かなくなってきたので時間の問題かと思いますが
 
情報弱者を狙った悪質なマーケティングに流されない為にも
読んで下さった皆様の知識の蓄えに
少しでもなっていれば嬉しく思います。
 
いかがでしたでしょうか?
少し難しい内容ですみません🙇‍♂️
分からないことや気になることがありましたら
是非御来店の際に何でもご相談下さい^_^
 
 
 
 
 

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鵜川怜 髪と頭皮を綺麗にすることが得意です 髪を綺麗にするのに必要なことは、実はとってもシンプル 本質的なヘア、頭皮、スキンケアの話をお伝えします お悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい

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