『酸性縮毛矯正』と『アルカリ縮毛矯正』の違いとは?

2024/10/19
💡酸性縮毛矯正とアルカリ縮毛矯正の違いについて

今回は、酸性とアルカリ性の縮毛矯正の違い
について解説いたします。
近年、多くの美容室で『酸性縮毛矯正』という
メニューが打ち出されており
お客様からも違いについてご質問を頂くことが増えました。

・酸性縮毛矯正とは?
・アルカリ縮毛矯正との違いは?
・酸性縮毛矯正の方が髪に良いの?

そんな疑問にお答えする為に
現役美容師がプロ目線で解説させて頂きます!

⇩この記事で分かること⇩
・縮毛矯正について
・酸性縮毛矯正とアルカリ縮毛矯正の違いについて

 
皆様こんにちは!
遂に、漫画「サ道」を全巻購入してしまいました
木場 門仲 美容室 Arete(アレテー) 鵜川です^_^
 
さて、今回は近年では
お客様からも聞いて頂くことが増えました
『 酸性縮毛矯正 』についてです。
 
 
 
 
 

酸性縮毛矯正は良い!?

 
「 酸性縮毛矯正をしました! 」
「 酸性縮毛矯正の方が良いのですよね? 」

と、ここ数年でお客様からもお声を頂くことが増えました。
 
まず、最初にお伝えしたいのが縮毛矯正施術において
酸性だから、アルカリ性だから良いということではないこと。
 
酸性かアルカリ性か、はたまた、中性か
なんていうのは
薬剤の種類(pH)の話であり
縮毛矯正に限ったお話ではありませんが
薬剤はあくまで施術の一つの方法に過ぎません。
 
・毛髪状態の見極め
・どの薬剤を使用するか
・どの道具を使用するか
・それらをどのように扱うか
 
お客様の状態とご要望に合わせ施術すること。
それは総じて
知識や経験も含めて美容師の技術
なのです。
 
・酸性だからダメージが少ない
・アルカリだからダメージする
 
あくまで、机上の空論に過ぎません。
どちらも美容師の技術次第です。
 
 
 
 
 

縮毛矯正の仕組み

 

1.縮毛矯正の基本工程

 
縮毛矯正施術は大まかにカテゴライズすると
① 1剤(還元剤)塗布
② ドライ、アイロンワーク
③ 2剤(酸化剤)塗布

という工程で行います。
 
1剤と呼ばれる還元剤は
パーマ液、縮毛矯正剤の一種で
髪の毛の結合を切ることで形状を変化させるものです。
この還元剤の作用により
直毛をくるくるに、くせ毛を真っ直ぐに
することが可能になります。
 
1剤(還元剤)塗布、放置後にその作用に合わせ
ドライヤーで乾かし、アイロンで整える
ドライ、アイロンワークと呼ばれる
熱処理の工程を踏みます。
この工程の作用により、毛髪の形状が決まります。
 
2剤と呼ばれる酸化剤は
還元剤で切った髪の毛の結合を再結合させるもので
それまでの工程で変化した毛髪の形状を固定します。
この酸化剤の作用により
変化した毛髪の形状が半永久的に固定されます。
 
実は、パーマや縮毛矯正は小中学校の理科の授業で学ぶ
酸化と還元の内容を応用した施術です

 

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2.酸性、アルカリ性というのは還元剤のpHのお話

 
pH(ペーパー、ピーエイチ)は
水素イオン指数と呼ばれる
液体の酸と塩基の程度、性質を表す物理量です。
 

 
pHが7より小さい時は、酸性
pHが7より大きい時は、アルカリ性
pHが7付近の時は、中性
とされています。
 
縮毛矯正剤(還元剤)においては
酸性、中性、アルカリ性それぞれのpHの薬剤があり
それぞれに特徴がございます。
 
酸性だ、アルカリ性だ
と、縮毛矯正をカテゴライズしているのは
還元剤(1剤)のpHのことなのです。
 
 
 

3.酸性、アルカリ性それぞれの特徴

 
先述の通り
薬剤はあくまで施術の一つの方法に過ぎません。
総じて、知識や経験を含めて美容師の技術です。
 
それぞれ美容師によって考え方は様々ですが
ここでは一般的な酸性、アルカリ性の薬剤の特徴をご紹介します。
 
 
 

【 酸性縮毛矯正 】

pH 6.9以下の還元剤を使用
酸性領域での還元作用のメリットは
キューティクルと呼ばれる髪の外側の細胞への作用が少なく
コルテックスと呼ばれる髪の内側の細胞への作用が得意
 

【 アルカリ性縮毛矯正 】

pH 7.1以上の還元剤を使用
アルカリ性領域での還元作用のメリットは
キューティクルと呼ばれる髪の外側の細胞への作用が得意
 
 
 
実は、一般的な特徴は簡単にご説明すると、以上です。
その他は、薬剤の選定次第で特徴が変わります。
 
薬剤の選定次第では比較的
酸性の方が対応出来る髪の毛の状態が多く
近年のカラー、ブリーチなどの流行に伴う
ダメージ毛等への対応幅が広がっている印象です。
 
尚、先述の通り、薬剤選定は総じて
知識や経験も含めた美容師の技術の一部です。
薬剤選定だけで施術するわけではありませんので
アルカリ性でもダメージ毛を対応することも可能かと思います。
 
 
 
 
 

酸性縮毛はマーケティングワード!?

 
近年、お客様にも知られるようになった
酸性縮毛という言葉。
サロン様によっては縮毛矯正のメニューだけで複数種類
酸性縮毛矯正は通常の縮毛矯正に比べ、ご料金が高い
なんてこともよく見られます。
 
実は、酸性縮毛矯正という施術は
特に目新しい施術ではなく
10年以上前から業界には存在します。
 
しかし、近年お客様にも知られるようになったのは
高単価メニューとして、打ち出すサロン様が
増えたことが背景にあるかと思います。
各社のマーケティング戦略に対して
どうこう言うつもりは毛等ございませんが
縮毛矯正という施術は比較的難しい施術です。
マーケティング戦略が先行し、失敗例が増えていることも事実です。
 
酸性縮毛矯正後、ダメージにお悩み
というお客様も少なくありません。
ですが、悪いのは酸性縮毛矯正ではなく適切でない施術です。
 
お客様は
・髪のお悩みを改善すること
・髪の状態を良くすること
を、望んでらっしゃるかと思います。
 
決して、酸性縮毛をしたいわけではないのです。
酸性縮毛はあくまで上記のご希望を叶える為の
一つの手段です。それ以上でもそれ以下でもないのです。
 
酸性か、アルカリ性なのか。
それは、お料理で例えるならば
和風か、中華か、エスニックか、イタリアンなのか。
焼くのか、蒸すのか、茹でるのか、煮るのか。
調味料の選定、調理方法の一種に過ぎません。
 
お料理に於ける素材は
美容業界ではお客様の髪や頭皮です。
 
施術方法や調理方法はあくまで手段の一つに過ぎません。
素材の魅力をお客様のご要望に合わせて最大限引き出すのが
美容師も料理人さんも大切なのかと個人的には考えています。
 
 
 
 
 

メニューが悪いのではなく、美容師の技術次第

 
美容業界では、過去にパーマの種類で
・エアウェーブ
・デジタルパーマ

という施術が流行しました。
 
現在でも多くのサロン様で扱われてる施術ですが
業界にはこれらを過去に通常のパーマより傷まない
と、間違ったマーケティング戦略で打ち出した過去があり
一部のお客様は今でもネガティヴな印象をお持ちです。
 
ですが、これらは先述の縮毛矯正のお話と同じで
薬剤や施術の工程だけが悪いのではなく
総じて、美容師の技術の問題です。
 
過去の業界の流れと同様に
「 酸性が悪い 」 「 アルカリ性が悪い 」
という施術の種類に対する印象だけが残ることを
個人的には懸念しています。
 
集客ワードとして
メニュー名が使用されることが多いですが
どの施術でも同じで大切なのは
美容師の技術です。
 
・カウンセリング力
・正しい毛髪診断
・薬剤選定

を含めて、技術力です。
 
技量によって大きく結果が異なることが
少しでも伝われば幸いです。
 
 
 
 
 

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鵜川怜 髪と頭皮を綺麗にすることが得意です 髪を綺麗にするのに必要なことは、実はとってもシンプル 本質的なヘア、頭皮、スキンケアの話をお伝えします お悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい

髪と頭皮を綺麗にすることが得意です 髪を綺麗にするのに必要なことは、実はとってもシンプル 本質的なヘア、頭皮、スキンケアの話をお伝えします お悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい

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